現代の野菜は、昔の野菜に比べて栄養価が低下している、という話を聞いたことはありませんか??
文部科学省がとりまとめている「日本食品標準成分表」(以下、「食品成分表」とする。)から、1960年頃の野菜の栄養価と、2010年頃の栄養価を比較すると、現代の野菜は昔の野菜よりビタミンやミネラルなどの栄養価が半分くらいになってしまっています。
ですが、実際にそうなのでしょうか??
一般的に考えて、1960年代と現代では、測定技術も向上しているでしょうし、どの産地の野菜を使っているかまでは、僕たちはあまり意識していないのではないでしょうか??
今日は、野菜の栄養の低下について、色々な視点から取り上げていきたいと思います!
こんにちは!
健康習慣アドバイザーのいさむです!
本日の目次はこちらです!
食品成分表では、野菜の栄養の低下は分からない?
冒頭でも述べましたが、文部科学省の「日本食品標準成分表」をみると、下記のように、野菜の栄養は、50年前に比べて、半分以下になっているように見えます。
出典:https://www.agriweb.jp/column/369.html
ですが、食品成分表はその測定時点において、最適な分析方法を用いていて、分析方法は50年前と今とでは当然異なります。
また、分析に用いた食品も、その時々において一般に入手されるものであって、品種改良されていることを考えると、同一のものではありません。
このため、文部科学省の「日本食品標準成分表」では、「各版の間 における成分値の比較は適当ではないことがある。」と注意書きがなされています。
(注)食品成分表の策定に当たっては、初版から今回改訂に至るまでのそれぞれの時点において最適な 分析方法を用いている。したがって、この間の技術の進歩等により、分析方法等に違いがある。ま た、分析に用いた試料についても、それぞれの時点において一般に入手できるものを選定しているため、同一のものではなく、品種等の違いもある。このため、食品名が同一であっても、各版の間 における成分値の比較は適当ではないことがある。
データだけみると、栄養素が低下しているように見えがちですが、もしかしたら分析技術の向上により、より正確な栄養素を証明しているかもしれません。
はたまた、本当に栄養素は低下しているのかもしれません。
どちらにしろ、データはあくまでデータであり、判断材料の1つにしかならないと僕は思っています。
野菜の栄養は、実際低下しているの??
食品成分表からでは、野菜の栄養の変化について、一概に判断できませんが、その他にも複数の要因から、「野菜の栄養素は低下しているのではないか?」と言われています。
まず化学肥料などの使用により本来土に含まれているはずの栄養素が減り、野菜に十分な栄養が行き渡らなくなったと言われています。
このため、現在、日本では、「有機農業推進法」に基づき、農薬や化学肥料を使用しない、遺伝子組み換えを利用しないといった有機農業を推進していますが、日本の耕地面積における有機栽培の畑の割合は約0.2%しかないのが現状です。
また、人工栽培が増えたことや、流通過程の問題で早く収穫することなども要因として挙げられています。
年中、食べたい野菜を食べられるようになったことや体力生産によって安く手に取ることができるようになったことは消費者にとって嬉しいことです。
しかし一方で、まだ充分栄養を蓄える前に出荷されてる野菜があることも事実なのです。
栄養素が低下しているとはいえ、野菜を食べないわけにはいかない
栄養素が低下しているからとはいえ、野菜を食べないで、健康を保つことはできません。
そもそも、厚生労働省が推奨している「1日350gの野菜を食べること」を満たしている人が少ないのですから、野菜の栄養に関わらず、僕たちはもっと野菜を食べるべきなのです!
また、サプリメントを食事代わりにしている方もたまにいらっしゃいますが、サプリメントはあくまで「補助」の役割を担っているものであり、基本となる食事を疎かにしていいものではありません。
今回、野菜の栄養素の低下について、お話しましたが、僕たちにはスーパーに並べてある野菜の栄養素の状態についてはなかなか判断できません。
だからこそ、できる限り、旬のものを選ぶようにしたり、近くの農場で採れた鮮度の良いものを食べる等、昔からよく言われている当たり前のことを大事にしていけたら良いですね!
オンラインで生産者から直接買う仕組みも出てきました!
僕たちの消費行動によって、け栄養のある美味しい野菜を作る農家さんを応援する仕組みがもっともっと広がっていくことを願っています!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!!
(参考サイト)